頑丈なはずの鍵が曲がっちゃったよどうしよう

山口県と言えば、秋芳洞を始め全国的にも有名な観光地が多いことでも有名です。僕はそんな観光地としての地域特色の強い山口県に生まれ育ちました。九州もほど近い、海沿いの街で一家四人そこそこ仲良く暮らしていましたが、一昨年の春に僕が大阪府の大学に進学することが決まり、一人だけでこの下宿先の賃貸マンションに引っ越してきたのです。

こちらで生活を始めてみて、色々と山口とは違っていて驚くことが多かったのですが、中でも一番だったのは「街を歩いている人の多さ」です。向こうは街中を歩いていても、道幅一杯に人がいるなんてことはありませんでしたが、この大阪は駅前を始めてとしてどこに行っても人があふれています。「やっぱり田舎と関西の中心地は違うなぁ」と、初めて大阪駅前の横断歩道を渡った際に思ったものです。

これだけ人が多いと言うことは、言い換えると「犯罪発生率」も比較的高いということにもなりますので、僕はこちらで暮らし始めてから特に「鍵」をしっかりと掛けて出かけることを心がけていましたが、つい先日、これに関してトラブルに見舞われたのです。
大学に行こうとして、朝玄関のドアを施錠しようとしたところ、鍵が途中から曲がってしまったのです。しかも妙な力の掛かり具合でひん曲がってしまったらしく、微妙にS字を描いたような歪み方をしており、明らかに自分の手には追えないことが分かりました。

このことでとても慌ててしまった僕は、実家の母に「頑丈なはずの鍵が曲がっちゃったよどうしよう!」などと後で思い返すと赤面ものの電話を入れて相談したのですが、結局この日は下宿の不動産屋に行って対応をしてもらおうということになり、大学はお休みしたのです。